【ハウスキーピング部門支配人田邉 インタビュー】
「安心して、心からくつろげる」空間を創る
BELLUSTAR TOKYO ハウスキーピングの誇りと責任
【ハウスキーピング部門支配人田邉 インタビュー】
「安心して、心からくつろげる」空間を創る
BELLUSTAR TOKYO ハウスキーピングの誇りと責任
ホテルに滞在するお客さまが、もっとも長い時間を過ごす客室。
安心して心からくつろげる空間を創るのが、ハウスキーピングの役割です。
BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel(以下、BELLUSTAR TOKYO)のハウスキーピング部門で支配人を務める田邉は、この仕事を「何も気にならない」客室を当たり前のように整え続けることだと表現します。
その言葉に込められた想いと、ハウスキーピングという仕事の本質に迫ります。
「先回り」で応える、ハウスキーピングの職人魂
田邉「客室の清掃や確認といった通常業務に加え、館内の汚れやダメージを点検する施設メンテナンス、お客さまからのご要望への対応など、ハウスキーピングの仕事は多岐にわたります。
また、アソシエイツ(注1)の指導や働く環境の整備、VIPのお客さまをお迎えする際の客室の最終確認など、責任者としての役割も担っています」
(注1)東急ホテルズ&リゾーツでは社員を「アソシエイツ」と呼んでいます。
かつて一般企業で営業職に従事していた田邉は、「人と話すことが好きだ」と気づいたことをきっかけにホテル業界へ。さまざまなホテルで経験を重ね、2023年の開業時よりBELLUSTAR TOKYOのハウスキーピング部門を担っています。
ホテル業界に飛び込んでからは、フロントスタッフやデューティーマネージャーなど、宿泊部門のさまざまな職種を経験。そのなかで、当時唯一未経験だったのがハウスキーピングだったといいます。
田邉「前職のホテルで勤務していた際、当時の上席から『今後も長くホテル業界で働くうえで必要な知識になる』と助言を受けたことをきっかけに、ハウスキーピングの道を進み始めました。さらに、東京・新宿に新たなラグジュアリーホテルが誕生することを知り、その環境にも魅力を感じ、BELLUSTAR TOKYOのハウスキーピング部門を担うことを決めました」
まだ歴史の浅いホテルで、ハウスキーピング部門の土台づくりを担ってきた田邉。日々アソシエイツに伝えている意識について尋ねると、「お客さまに寄り添い、常に先回りすること」だと語ります。
田邉「非日常の空間でありながら、お客さまが自宅のように安心して過ごせる客室にしたいと考えています。そのために、清潔さや整理整頓への高い意識はもちろん、お客さま一人ひとりに関心を持ち、『自分に何ができるのか』を常に試行錯誤してほしいとアソシエイツには伝えています。
また、お客さまのご要望に対して決してNOと言わないことがもっとも大切だと考えています。たとえすべてを叶えられなかったとしても、できる限りのことを尽くす。それがBELLUSTAR TOKYOのハウスキーピングの在り方だと考えています」
チームへの感謝が生み出す、唯一無二の客室
BELLUSTAR TOKYOの客室は、静寂と開放感が美しく調和したラグジュアリーな空間が魅力の一つです。数々のホテルを見てきた田邉にとっても、日々新たな発見と刺激を得られる場所だといいます。
田邉「新宿の騒がしさと、ホテルに一歩足を踏み入れたときの静寂。このコントラストは唯一無二ではないでしょうか。決してポジティブなイメージだけではない新宿東側に、ラグジュアリーホテルがあること自体に大きな魅力を感じています。
また、客室に入ってすぐ、大きな窓から広がる東京の景色は圧巻です。だからこそ、その窓を常にきれいに保つことを特に意識しています。お客さまがその景色に感動されている様子を垣間見ると、とてもうれしくなります」
日本の伝統的なデザインとラグジュアリー感が共存する上質な客室も、お客さまを魅了する要素の一つです。では、その客室はどのように日々つくり上げられているのでしょうか。
田邉「お客さまがチェックアウトされた後、お忘れ物の確認をすることから私たちの業務が始まります。客室内のダメージを確認したのち、ルームアテンダントによる清掃、そして責任者による最終確認を経て、客室は完成します。必要な備品が揃っているか、清掃でつかった道具が残っていないかなど、細部まで丁寧にチェックを行います。
さらに、VIPのお客さまをお迎えする際には、ハウスキーピングマネージャーが加わり、より入念な確認を行います」
限られた時間のなかで、数多くの工程を妥協なく積み重ねるハウスキーピング。
「一つの客室をつくり上げるために、多くのアソシエイツが関わっているので、本当に感謝しています」と田邉は語ります。
田邉「私一人では、完璧な客室を完成させることはできません。アソシエイツや協力会社のスタッフなど、多くの方の力によってBELLUSTAR TOKYOの客室はつくられています。だからこそ、その感謝の気持ちは必ず言葉にして伝えるようにしています。
日本語が得意ではない海外のスタッフもいるため、中国語やベトナム語など、それぞれの母国語で『ありがとう』を伝えることもあります。チームワークは、まず感謝から始まるものだと、ハウスキーピングの仕事を通して学びました」
一方で、チームで働くことの難しさもあると田邉は語ります。
田邉「全員が同じクオリティを発揮することは容易ではありません。だからこそ、アソシエイツには明確な基準となるSOP(注2)を設定し、業務のプロセスを標準化するとともに、継続的なフィードバックを通じて、チーム全体で品質を維持・安定化する仕組みを整えています。
そのうえで重要なのは、一つひとつを丁寧に積み重ねることです。忙しいときはもちろん、時間に余裕があるときでも、抜け漏れは起こり得ます。
どのような状況でも、まずは決められた手順を確実に遂行すること。そのうえで、自分なりの工夫を重ねていく。お客さまが不安や違和感を一切抱かない客室をつくるために、私自身もこの意識を持ち続けるよう心がけています」
(注2)SOP(Standard Operating Procedures):サービスの品質を一定に保つための標準作業手順。ホテルにおける「基本の型」となります。個別のニーズに応える柔軟なホスピタリティを提供するために必要な基準となります。
選び抜かれた備品が彩る、完璧な客室体験
客室内に配置された一つひとつの備品にも、こだわりが詰まっていると田邉は語ります。なかでも寝具は、BELLUSTAR TOKYOの魅力の一つとなるよう、時間をかけて選び抜いたものだといいます。
田邉「マットレスは英国王室御用達の栄誉を受けたのものを、シーツはイタリアの最高級ブランドのものを採用しています。肌触りの良さは格別で、私自身も気に入っています。寝具は副総支配人の髙橋とともに、特にこだわって選びました。『お客さまのために』という想いを大前提に、ラグジュアリーホテルにふさわしい品質を備えたものを選んでいます」
日本を代表するラグジュアリーホテルを目指し、小さな備品一つひとつにまでこだわり抜いてきたと話す田邉。こだわりや工夫をお客さまにどのように感じてほしいのか尋ねると、「何も感想がないとうれしい。Goodコメントがないことこそ最高評価」と、意外な言葉が返ってくる。
田邉「もちろん、お客さまの笑顔や喜びに満ちた表情は、私たちの活力になります。ですが、それ以上に重視しているのは、客室に対して『何も言われない』ことです。不安や違和感が一切ない客室を当たり前に提供したいからこそ、『きれいだった』『快適だった』という感想すらない状態を理想としています。ゲストサーベイで満点・コメントなしが、もっとも嬉しく思います。何も言わなくていいほど満足いただけたと受け取れるからです。常にその状態を実現できるよう、チーム一丸となって努めています」
ホテルの中心を担うハウスキーピングの自覚
裏方のプロフェッショナルと呼ぶにふさわしいハウスキーピング。だからこそ、その存在は目に留まりにくいものでもあります。
田邉「お客さまの笑顔や好評のコメントをモチベーションとする考え方もありますが、私たちは『満点・コメントなし』を理想としています。その評価をいただけた際には、チームで共有しています。アソシエイツにとって、少しでも支えになっていればうれしいですね。
また、良い行動があった際にも、その内容をチーム全体に伝えるようにしています。認められていると実感してもらうこと、そしてその行動を共有することで全体のレベルを引き上げることを大切にしています」
陰の立役者でありながら、ハウスキーピングはホテルの中心的な存在でもあると田邉は続けます。
田邉「私たちハウスキーピングが客室をつくらなければ、お客さまはチェックインできません。客室がなければホテルは成り立たないからこそ、もっとも重要な役割を担っていることに誇りを感じています。
私たちの一つひとつの仕事が客室の質を左右し、ひいてはホテルの評価にもつながります。その責任とプレッシャーこそ、ハウスキーピングのやりがいです」
